〜 そのかわり、そのときは 〜
あのさ。
あなたは、あなたの悪口をどれだけタカユキに吹き込まれてるんだろうって思ってるかもだけど。
わたしとタカユキの間で、あなたの話題って半年以上ほとんど持ち出してないからね。
わたしがタカユキに色々吹き込んでるから、やり直せないって思ってるでしょ?
ちがうよ。
たまの大ゲンカの時に
「あいつんとこ行けばいいじゃん」
って、今までの半年で3回くらい言ってみただけ。
誰もタカユキのことを引き止めたり閉じ込めたりしてません。
わたしや子供たちにどう思われても構わない、わたしとの約束もどうでもいい、どうしてもタカユキと一緒になりたい、って未だに思ってたりする?
だったらまた卑怯な手で頑張ってみればいいじゃん。
そのかわり。
そういえばタカユキもあなたも似た者同士の卑怯者だね。
卑怯者同士、そりゃあ楽しかったでしょうな。
あなたがもしまた卑怯な手でわたしたち母子を傷つけてきたら、そのときは。
そういえば踏み込んだ後、わたしと普通に夫婦として関係してたのに、あなたに対しては「シロとはしてない」って言い張ってたんでしょ?
してるって言ってみたり、してないって言ったり、してるけど仕方ないだの、公衆便所みたいなもので排泄行為だからだの、しないとシロがかわいそうだの、全部嘘でやっぱりしてないだの。
ふつうにしてたけどね、今もだけど。
だからたぶん他の女性についても、してたんだと思うよ
ものすごい言い訳しまくってたんでしょ?
そういうときは、してんの。
あなたたち2人は信用に足る人物ではない。
だってわたしや子供たちを、自分の欲のために平気で欺いてたんだもんね。
でも、あなたたち2人はお互いに騙しあってたから別にいいけど、わたしたち母子はほんと純粋な被害者だよね。
SNSの記事とか見ればわかると思うけど、わたしたちは夫婦としても、仕事のパートナーとしても、子供たちの親としても、破綻などしてなかった。
微妙な微妙なバランスだとしても、ちゃんと成り立っていた。
タカユキの中のどろどろが溢れかけるのも、それまでだって何度かあった。
でもそうなっても、タカユキは大爆発の後、氷河期のように沈み込んだ日々を過ごしてから、いつのまにかどろどろはまたタカユキの心の奥の方に隠れて、わたしがまたそのフタをしっかり押さえる日々が戻ってくるはずだった。
いつもならそうなるはずだったのに。
大爆発のあたりであなたが割り込んできてしまった。