猫と学ぶ、はるまきの作り方

春巻ねこです。物語のようなものを書きます。書きながらの公開なので、随時加筆訂正しますが、大筋のストーリーは変わりません。この物語は、フィクション、です。

038 夫と子供の同級生の母親がダブル不倫を後悔した話

 

 

When Sunny Gets Blue

When Sunny Gets Blue

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 〜 三人組になるわけない 〜

 

わたしがあなたたちの仲間に入るわけないじゃん。

3人組になれるわけがないんだよ。

 

もしかしたら被害者かもな、助け合えるかもな、って思って観察したよ、わたし。

踏み込んだ時点から約2ヶ月、あなたたちと一緒に行動して、話をし、少しでも助かる人数の多い方法から、それが可能かどうかひとつひとつ試していった。

だから、2ヶ月間あなたのことをしっかり見たつもり。

でも、結論。

なんのこっちゃない、あなたはタカユキと同じ人間だった。

意味わかる?

 

そっくりだった。

あなたたちが言ってたみたいな、手の形とか、パニクり方が似てるとか、そんなどうでもいい部分じゃない。

取りつく島もないほど冷酷で残酷で自分本位、になることができるんだよ、あなたたちは。

心がね、床に一回思いっきり叩きつけられて、めちゃくちゃな破片になっちゃって、で、仕方ないからかき集めて粘土で固めたみたいな。

ボロボロのスカスカ。

 

だから、2人で妄想恋愛してる分には完結できるんだろうけど、周りは付き合ってらんない。

だって2人とも、ぜんぶ嘘なんだもん。

親切なフリ。

優しいフリ。

かわいいフリ。

周囲に対して2年もの間、どれだけうまく嘘をついていたかを思い出せば、ぜんぶ分かる。

あなたたち2人は嘘ばかりだった。

そしてその嘘の化けの皮をちょこっと剥がしてみせただけで、すぐダメになっちゃった。

 

誰にも迷惑かけないなら、飾り立てて付き合っててもいいよ?

でも、どちらも既婚、しかもうちの場合は歪でもちゃんと家族だったし。

 

それでもわたしたち母子は、あなたたち2人に、もっと酷い目にあわされるところだった。

あなたたち2人が、どんなに優しい良い人のフリで周囲を欺いていたとしても、もうないよ、それ。

 

不倫中はよかったんだろうけど。

誰にも言えない、ということは裏を返せば、誰かに自分の本性をバラされる恐れがない、ということ。

カッコつけ放題、嘘つき放題。

 

踏み込んだ時にまず思ったのが、

え、なにタカユキ、この人の前ではまさかずっとこの感じで行ってたの?

なに足組んで黙ってカッコつけてんの?

わたしの知ってるタカユキはどこ?

くどくて自分を棚に上げてるけど、自虐ギャグが時々ヒットしてた、あのおじさんは?

 

わたしたち母子も過去も全部捨てて、生き直せると思ったんだと思う。

新しい場所で、新しい自分をデビューさせようとするのは、別に悪いことではないよ。

でも、それと同時にわたしを悪者に仕立て上げようとしたところが間違った。

そして、子供たちをも排除しようとしたところが。

 

だから、バラしてやることにしたの。

世間にじゃないよ。

あなたたち2人それぞれに、不倫中に見ることも知ることもできなかったお互いの本性を、教えてあげることにした。

踏み込んだ瞬間にそう思ったけど保留して、2ヶ月間は我慢した。

そしてあなたという人間がわかったから、教えてあげることにしたの。

 

わたしたち母子の心を傷つけたのだから、あなたたちがそれ以上に傷つくことでしか、償いにならない。

 

読めよちゃんと。

よく既読スルーできるね。

どうしてあなたは今こうなってしまったのか、現実を見据えないと繰り返す。

あなたが傷つけた相手の言葉に耳を傾けることさえ出来ないんだね。