〜 嘘平気症 〜
あとさ、びっくりしたのは、とにかくもうありとあらゆることについて嘘だったこと。
あなたもタカユキも、病気だ。
嘘平気症。
2人とも、わたしを含む周りのすべての人たちに嘘をついてたよね?
自分の配偶者はもちろん、子供たちにも、友人にも、すべてに。
で、お互いにも嘘を付き合ってたよね。
ひえー。
すごいよね。
タカユキはなに?
浮気とかしたことないって言ってたの?
あのさ、高校の時から三股四股あたりまえ。
ちゃんと高校の時の親友の人と話してたから、裏は取れてます。
それに、わたしの直前に付き合ってた人だって、タカユキは二股してたよ。
実家の町で付き合ってた女の子は置いといて、引っ越し先でそのまま違う子と付き合って。
結婚してからは、どうなんだか知らないけどさ。
でもそれで、「俺は浮気とか出来ないんだ」とか言ってたの?
だって、わたしがちらっとタカユキの若い頃の女性遍歴を話したら、躍起になって否定してたもんね。
そんな嘘だらけでは、あっという間に破綻すると思うんだけど、うまくやっていけるとでも思ってたのかね。
っていうか、あなたたちはそういう意味でもお似合い。
嘘だらけ。
あなたのことを思い出すと、どれもこれも嘘つかれてたわけで、本当に悲しく、腹が立つの。
園の送迎の駐車場でも、卒園式でも、謝恩会でも、入学式でも、こども役員でも、参観日も、音楽会も、運動会も、ぜんぶ。
嘘だらけ。
そしてそれを思う存分楽しんでいた。
そしてそれが、今はバレてる。
本当によかった。
じゃないと、わたしたち母子がかわいそすぎだっつの。