猫と学ぶ、はるまきの作り方

春巻ねこです。物語のようなものを書きます。書きながらの公開なので、随時加筆訂正しますが、大筋のストーリーは変わりません。この物語は、フィクション、です。

009 夫と子供の同級生の母親がダブル不倫を後悔した話

 

Bluesette

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〜 全部パー 〜

 

不倫を責めてるんじゃないんだよね。

タカユキも分かってないみたいなんだよ。

なんか、不倫を責めるなんて了見の狭いことしやがって、みたいに言うの。

まあまずどの口で言ってんだろうってとこはあるけど、それ以上に、未だに何を責められてるのか理解できてないだなんて、衝撃だよね。

 

「不倫のなにが悪いんだ?

大人同士なんだから本人たちの問題だろ。

好きになることのなにが悪いんだ?」

 

違うんだって。

今回あなたたち2人が怒られてるのはそこじゃない。

 

ちなみに、不倫を責めていいのは私たち母子と、あなたの元夫とあなたの子供たちだけだよね?

他の人たちは、タカユキとあなたの不倫を責める立場ではない。

でもま、今はそれは関係ないから置いておいて。

 

不倫が悪いかそうでないかについても置いておいて。

 

あなたたちは別に不倫を責められてるわけではないの。

嘘つきとか、想像力がないとか、バカじゃないかとは思われるだろうけど。


タカユキが怒られているのは、度重なる爆発と沈み込みで苦しませ続けたわたしを20年も飼い殺し、歳をとったら子供もろともいきなり捨てることにしたところ。


あなたが怒られているのは、最初から最後まで不倫相手の妻子を思いやることなく、自分の欲のために幼い存在を傷つけ、それがバレたら開き直り、今に至っては逆ギレし、周囲のそれまでの同情心と親切心を裏切ったところ。

 

「わたしたち、似てるの…」

っておセンチに気持ち悪いこと言ってたけど、ほんとにそうだよね。

似てるわー。

危機管理能力に欠け、見通しが甘く、軽率で、人を見る目がない。

 

思い出したけど、タカユキと交際し始めた20年前、ひと月も待たずに殴られるようになったの。

グーで顔をね。

もちろん、わたしも問題だらけだった。

若くて、世間知らずで、金銭感覚もゆるく、将来の計画もなく、とにかく無知でいい加減な甘ちゃんだった。

完璧主義で、野心的で、ストイックなタカユキの激昂トリガーを、無意識に引きまくってたんだね。

でもだからと言って、男性が女性の顔をグーで殴っちゃダメね。

だからそれを何年もかけて、何度も何度も罪をリマインドすることで罪悪感を刺激して、やっとすぐに手を出したりしないように教え込んだわけ。

そしてもちろん、同時にわたしも長い時間をかけて歩み寄り、成長し、努力した。

でもあなたのおかげで全部パーです。

 

またすぐ手を出すようになってしまった。

しかも、暴言を吐いても構わないと思っている。

かわいそうなのは、うちの子供たち。

父親の情緒が安定せず、すぐにキレて、妻をバカにし、暴言を吐き、怒鳴り散らすところを見ていなければならない。

わたしが何年もかけてやっと、それは悪いことだと教え込んでたのに。

 

あなたがタカユキの言いなりで、なんでも彼の思い通りに甘やかし、スポイルしてしまったから、クズでいることを肯定されることで、そのままでいることに自信を取り戻してしまった。

あなたはすぐに、夫婦の問題は2人で話し合って解決しろと言うけれど、これは夫婦の問題だけではなく、明らかにあなたにも原因がある気がするのだけれど。

 

ほんと余計なことしてくれたよね。

ここまで来るのに何年かかったと思ってんの。

あなたたち2人で勝手にうちの夫婦関係は終わってたとか言わないでくれる?

わたしたち母子の気持ち考えてみろや。

 

ああもう、疲れるわ。